木曽檜をはじめとした日本の木と文化、
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INTERVIEW

小瀬木 隆典 Takanori Osegi
― このおもちゃのアピールポイントを教えてください。
お酒を飲む升の形状をそのまま活かしたおもちゃです。大きな特徴としては、木曽ひのきを使っているので芳醇な香りを楽しめること、素材として軽いので小さなお子さんでも扱いやすく、積み上げが容易だったり、そのままのブロックよりも軽くなっているので落として当たっても痛くないということ、ひのきの風呂おけで知られているように水に強いので、お風呂やプールなど水と一緒に遊べることが挙げられます。
底面に塗装を施した赤、青、緑に無塗装のナチュラルの4色2個ずつ合計8個の升と、円柱積み木4個という構成になっており、積み木としての遊びをはじめとして色々な遊びに発展させることができます。
― 年齢別、シーン別での具体的な遊びのイメージはありましたか?
2歳から10歳くらいまでのお子さんが楽しく遊べるようにとイメージして作りました。水と遊ぶというところでいえば、例えばお風呂で親子で遊ぶというのはもちろんですし、数を揃えることで保育園や幼稚園での集団での水遊びもとても楽しいです。
濡れたものは陰干しして、乾いたら今度はお部屋や教室で別の遊びを展開するというように、生活の中の様々なシーンにますつみきを持ち込んで遊んでいただけたらと思っています。
― おもちゃを含めた木製品作りにおいて、大切にしていることはどんなことですか?
私が一番にこだわっているのは、この木曽という地域でモノづくりを続けるということです。もともと木工が盛んな地域ではありますが、職人の高齢化とともにどんどん衰退していき、あと10年もすれば高齢化した職人達が引退していく段階に差し掛かってきています。その技術を若手に継承して、これからも木曽でモノを作り続けていくということを一番に考えています。
そのためには、作るもの自体が素敵で、作ること自体にプライドを持てる「作ることがかっこいい、かっこいいものを作っている」という気持ちを持ってもらわなければなりません。若者があこがれの気持ちを持って入ってこられる…そういう場所を作りたいなと思って、頑張っています。
― 今後の新しい展開はお考えでしょうか?
今はまだ木曽のひのきを中心とした小物作りがメインとなっていますが、日本の林業再生のような大きいミッションを持って、会社としてやっていくためには、家具や内装、はたまた家づくりなども手掛けていきたいです。木曽ひのきだけでなく、日本の木がいっぱい使われていくようなものづくりを、大きく広げていきたいと思っています。
― あなたにとって、おもちゃとは何ですか?
木曽ひのきの香りは、僕にとっては懐かしい思い出の香りなので、おもちゃとは、その香りを通じて童心に帰れるものだと思っています。
鈴木 潤吾 Jungo Suzuki
― 鈴木さんの経歴を教えてください。
大学院で機械工学を専攻し、卒業後はエンジニアとして自動車関係の仕事をしていました。そこを退職して上松の職業訓練校で木工を学び、Tree to Greenに入社して今2年目です。
― 機械から木工なのですね。
ものを作るということは基本的に同じなのですが、自然のために何かものを作りたくて働いているので、そのアプローチの仕方が変わっただけではないかと、個人的には思ってます。
― おもちゃを作る上で苦労した点はありますか?
小ぶりな製品を数多く作る時に、精度よく作るということがなかなか難しいです。例えば、このますの組手(ますつみきの角の部分の加工を指します)の部分を手加工で、しかも0.1~2ミリの誤差でおさまるように精度良く作るのはとても大変です。
― この工房では使い込まれて年季の入った機械が沢山ありますが、どういった方の工房だったのでしょうか。
ここは、もともとここで仏具を作っている職人さんの工房でした。年齢と共に作業がきつくなり、このまま工房を遊ばせておくのも…ということで、今では工房を居抜きで間借りしている形になっています。
― 職人には、長年の技術であみ出した独自の技というのがあるように思いますが、機械類だけでなく、そういった技の継承もあるのでしょうか?
そうですね。最初は学校で習った通りのやり方で作業していたのですが、ここでその仏具の職人さんのやり方を見よう見まねで真似しながら、その技術を少しずつ自分のものにしていきました。職人は目で盗めと。それをまた受け継いで、そのまた次に受け継いでいくということですね。
― あなたにとっておもちゃとは何ですか?
おもちゃとは、発見を手助けしてくれるものだと思います。自分の小さい頃も、ひとつのおもちゃを通して新しい遊び方をいくつも見つけたりしていました。大人になっても、それが変わらない。いろんなものを見つけさせてくれるようなものがおもちゃではないかと思います。

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